Score 3.2

映画

Pearl パール:狂気の笑顔が映し出す純粋な闇

タイ・ウェスト監督が2022年に発表した映画『X エックス』の前日譚として制作された映画『Pearl/パール』は、ホラー映画の枠を大きく超えた野心的な作品です。1918年のテキサスを舞台に、殺人鬼となる前の若きパールの物語を、『オズの魔法使』を彷彿とさせる鮮やかなテクニカラーで描き出します。ミア・ゴスが脚本にも参加し、製作も務めた本作は、彼女自身の映画人生における重要な転機となりました。主演女優として、脚本家として、そしてプロデューサーとして――三つの顔を持つミア・ゴスの圧倒的な存在感が、この作品を唯一無二のものにしています。特に終盤の6分間にも及ぶ長回しのクロースアップは、映画史に残る名シーンと言えるでしょう。

Score 4.2

映画

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 “友情と勇気が紡ぐ壮大なる王の帰還”

アカデミー賞史上最多タイ11部門受賞の快挙を成し遂げた、三部作完結編の金字塔
映画史に燦然と輝く不朽の名作が、ついにその幕を閉じました。『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』は、ファンタジー映画というジャンルの枠を遥かに超え、人間ドラマとしての深み、戦争映画としての迫力、そして叙事詩としての壮大さを見事に融合させた傑作です。
小さきホビットたちの勇気、流離の王の覚醒、老いた魔法使いの知恵、そして真の友情の力。これらすべてが織りなす物語は、観る者の心を揺さぶり、涙を誘い、そして希望を与えてくれます。スペシャル・エクステンデッド版で約4時間半という上映時間にもかかわらず、一瞬たりとも退屈させることのない、まさに「映画の魔法」がここにあります。

Score 2.5

アニメ, 劇場版

ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い:神山健治監督が挑んだ中つ国の新章

実写映画三部作から200年前の中つ国を舞台に、『攻殻機動隊 S.A.C.』や『東のエデン』で知られる神山健治監督が初めて挑んだファンタジー大作です。全編手描きにこだわった13万枚の作画と、実写をモーションキャプチャーで記録してから手描きで起こすという前例のない制作手法により、圧倒的な映像クオリティを実現しています。しかし、45億円の製作費に対して興行収入は約32億円という厳しい結果に終わり、特に日本国内では1億円以下という残念な数字となりました。映像美とストーリーテリングのバランスに課題を残した、野心的ながらも評価の分かれる作品です。

Score 3.8

映画

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔:三部作の心臓部が放つ圧倒的な戦闘美学

三部作の中盤を担う映画『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』は、前作『旅の仲間』で丁寧に紡がれた世界観と登場人物たちを基盤に、圧倒的なアクションシークエンスと群像劇としての深みを両立させた傑作です。上映時間は前作より15分ほど長い約179分ですが、体感時間ははるかに短く感じられます。それは、バラバラになった旅の仲間たちがそれぞれの戦場で奮闘する姿を、緊迫感溢れる演出で描き切っているからに他なりません。
ヘルム峡谷の戦いという映画史に残る壮絶な戦闘シーンを中心に、ゴラムという忘れがたいキャラクターの誕生、セオデン王の復活劇、そしてフロドの心を蝕む指輪の魔力──すべてが有機的に絡み合い、観る者を物語世界へと引き込みます。前作で築かれた土台の上に、さらなる高みへと到達した中篇として、『二つの塔』は三部作の心臓部を担う重要な作品です。

Score 3.8

アメリカ, 映画

スーパーマン (2025) :「優しさこそがパンク」新時代のスーパーマンが問いかける、人間の善への希望

DCエクステンデッドユニバースから世界観をほぼ刷新し、新たなDCユニバースの第一作として登場した映画『スーパーマン』は、ジェームズ・ガン監督による大胆な再解釈が光る作品です。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」三部作や「ザ・スーサイド・スクワッド」で培われた監督のキャラクター造形力と、現代社会への鋭い問題提起が見事に融合しています。
圧倒的な展開スピード、TikTok時代を反映した映像感覚、そして「優しさこそが新しいパンク」という力強いメッセージ。スーパーヒーロー映画に疲れを感じ始めていた観客に対して、ジェームズ・ガン監督は「スーパーマンの本質とは何か」を真正面から問い直す挑戦状を叩きつけました。

Score 4

日本, 映画

ドールハウス:矢口史靖監督が挑んだ日本人形の世界

「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」で青春コメディの旗手として知られる矢口史靖監督が、まさかのホラー映画に挑戦しました。長澤まさみが脚本の面白さに出演を熱望したという映画『ドールハウス』は、「ドールミステリー」という宣伝文句とは裏腹に、正真正銘のホラー映画です。しかし、矢口監督ならではのコメディセンスが随所に光り、恐怖と笑いのバランスが絶妙な作品に仕上がりました。110分ノンストップの展開は観る者を飽きさせず、日本人形ならではの不気味さと、ミステリー要素のフェアさが見事に融合しています。第45回ポルト国際映画祭でグランプリを受賞したことも納得の、王道Jホラーの良作といえるでしょう。

Pearl パール:狂気の笑顔が映し出す純粋な闇

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 “友情と勇気が紡ぐ壮大なる王の帰還”

ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い:神山健治監督が挑んだ中つ国の新章

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